TAKAさんのGOlll1500



壮麗な印象を持つこのギターの製造番号は「I79458×」。浅野孝巳氏使用のギターである可能性が非常に高い。現オーナー購入時には発売元から販売店へ貸し出された展示品だった。特別に承認を得てTAKAさんへ譲り渡されたそうだ。入手時にはサインが書き込まれていたほか、マスターVOLノブも既に浅野仕様となっていた。また後年オーナーが浅野氏に会い、このギターの話しをしたところ「マジックカプセルの頃使っていた俺仕様じゃん」とコメントがあったそうだ。ご本人が「TV出演用に借りていた白いGOlllは発売元に返却した」と発言していたギターは多分これなのだろう。「I79(1979年9月期出荷品)」なのでGOlllの初期物と同月の生産だが、塗色以外にも標準的な仕様と異なる点が見られる。GOlllと同型のギターが各店のショップ・オリジナルGOとして1979年春頃から様々な仕様で販売されていたが、カタログ掲載の「量産品」となった際に何点か細部に変化があった。一つはロータリースイッチを止めるナットが落とし込まれ、トップより低い平面でボディに接するようになったこと。他に目立つ点として、3枚のバック・プレートが黒メッキの金属製になった事が挙げられる。TAKAさんのギターではマスターVOL裏のカバーが円形の金属製なのが目をひく(一般的なものは楕円形状)。ロータリーSWのポジション・インデックスが鋲打ちなのは「1979年楽器フェア」に展示され、広告写真撮影にも使用された3本のプロトと共通の仕上げ。当時、大阪の有力販売店が数ロットこれに似たギターをオーダー・販売した広告が当方の資料にある(詳細は不明)。いずれにせよ今となっては大変に貴重なギターだろう。
(写真:TAKAさん、文:狛江のグレコマニア)